被扶養者の認定条件について

被保険者の収入によって生活している家族は「被扶養者」として健康保険の給付を受けることができます。この家族が「被扶養者」の認定を受けるためには、家族関係や生計関係において一定の条件を満たしている必要があります。
また、令和2年4月1日からは「日本国内に住所を有する者」であることが認定条件に追加されました。

家族の範囲について

被扶養者として認められる家族の範囲は、三親等内の親族に限られます。そのうち、直系尊属(父母や祖父母など)・配偶者・子・孫・兄弟姉妹以外の親族については、被保険者と同居していることが必要です。

家族の範囲
同居とは

被保険者と住居・家計を同じくしている状態をいい、出張や入院は一時的な滞在であり同居とみなされます。
ただし、住所が同じでも、住所表示が異なる場合(マンション等の号室違い、同じ敷地内の別棟や区分住宅など)は別居となります。また、住民票が分かれている場合(世帯主が別)も、原則として別居とみなされます。

収入の基準

被扶養者となるためには、「主として被保険者の収入によって生計(生活)を維持していること」が必要です。

収入の基準
  • 同居している場合
  • 対象者の年収が130万円(60歳以上または障害者は180万円)未満で、かつ被保険者の収入の2分の1未満であること
  • 年収を月収に換算すると130万円÷12ヵ月となり月収108,334円未満、同時に180万円なら月収150,000円未満であること(この月収を恒常的に超えている場合は認定できません)
  • 同居していない場合
  • 対象者の年収が130万円(60歳以上または障害者は180万円)未満で、かつ、その額より多い額の仕送りを被保険者から受けていること。金額については最低でも 1人あたり50,000円/月以上の仕送りを受けていることが必要です。また、手渡しでは仕送りの事実を証明できないため不可とします。被扶養者の認定審査時や毎年の「被扶養者現況調査」の際に、生計維持の確認をするため、原則として3ヵ月分の送金証明書が必要となりますので、振り込み・送金が確認できる振り込み伝票の控え等の公的証明書を保管しておいてください。
  • 送金することによって被保険者世帯と別居中の家族世帯の一人当たりの生活費が逆転するような場合、それぞれの世帯の生計費の実態を調査のうえ総合的に審査し、健保組合で判定いたします。
  • 月収は同居している場合と同様
  • 「年収」には、公的年金、企業年金、雇用保険の失業給付、傷病手当金、出産手当金等を含みます。

<同居していない場合であっても下記の場合は仕送りの証明書等が不要です>
A.会社都合による単身赴任の別居
B.子供が学生で進学による別居

自営業者の被扶養者認定について

マツキヨココカラ&カンパニー健康保険組合では、被扶養者認定の際に自営業者の方の収入は、所得税確定申告の際に計上された経費を必要経費として収入から控除する取扱いをしておりましたが、2023年1月1日より収入の確認において給与所得者等との公平性を図ることから必要経費の取扱いを以下のとおり変更いたします。

変更前 変更後
年間収入の計算式 自営業収入- 経費 自営業収入- 当組合が認める直接的必要経費

マツキヨココカラ&カンパニー健康保険組合が認める直接的必要経費

直接的必要経費とは

原材料費など、その経費がなければ事業が成り立たないと認められ、実際に金銭を支出している経費のことをいい、税法上の経費とは異なります。
また青色申告控除や専従者控除は給与所得者における配偶者控除等と同様に返金の直接的支払を伴わない税法上の控除額は経費ではないので除外します。

「〇」・・・ 直接的必要経費として認められた経費
「△」・・・ 自宅と事務所が同一の場合、50%を直接的必要経費として認める経費
「×」・・・ 直接的必要経費として認めない経費
一般所得 農業所得 不動産所得
売上原価 粗税公課 × 粗税公課 ×
粗税公課 × 種苗費 損害保険料 ×
荷造運賃 素畜費 修繕費
水道光熱費 肥料費 減価償却費 ×
旅行交通費 飼料費 借入金利子 ×
通信費 農具費 地代家賃
広告宣伝費 × 農薬衛生費 給料賃金
接待交際費 × 諸材料費 貸倒金 ×
損害保険料 × 修繕費 その他経費(雑費) ×
修繕費 動力光熱費
消耗品費 × 作業用衣料費 ×
減価償却費 × 農業共済掛金 ×

5日以内に健康保険組合に届出を

健康保険組合は届出をもとに、被扶養者となるための条件を満たしているかを判定します。そのため、被保険者資格を取得したとき、被扶養者にしたい人がいる場合は、「健康保険被扶養者(異動)届」に該当事項を記入し、必要書類を添えて届け出てください。また新しく被扶養者が増えたときも、その事由の発生から5日以内に各会社(人事部門)を経由して健康保険組合に届出を行うようにしてください。

扶養義務者の確認について

認定の条件として、「その認定対象者に優先扶養義務者がいないこと」が必要です。
優先扶養義務者とは、その認定対象者の「配偶者」、認定対象者が母の場合、「父」や被保険者の「兄弟姉妹」、義母の場合は、「義父」はもちろん被保険者の「配偶者の兄弟姉妹」などが優先扶養義務者になります。つまり、被保険者以外にその認定対象者を扶養すべき人が居る場合は認められません。扶養義務者の優先順位は、収入や同居の有無、扶 養しなければならない理由などを総合的に審査し、健保組合で判定いたします。

夫婦共働きの場合

厚生労働省から令和3年に「夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について」が発出されたことを受け夫婦が共同で子どもを扶養する場合には、扶養者とすべき子供の人数に関わらず、年間収入(過去の収入、現時点の収入、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだもの)が多い方の親が子供を扶養することになります。
そのため、マツキヨココカラ&カンパニー健康保険組合ではお子様の被扶養者認定の際に過去の収入~将来の収入の確認の為、追加で証明書類の提出を求めることがございます。
また特例として、主として生計を維持する者が育児休業等を取得した場合、当該休業期間中は被扶養者を異動しないこととされました。これにより、お子様が夫婦別々の被保険者の被扶養者となる事象も発生します。

変更前 変更後
年間収入の取り扱い 前年の年間収入が多い方の被扶養者とする 年間収入(過去、現時点、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだもの)が多い方が被扶養者とする
収入の差 夫婦の年間収入が同程度である場合には、届け出により主として生計を維持するものの被扶養者とする 夫婦の年間収入の差が1割以内である場合には、届け出により主として生計を維持するものの被扶養者とする
認定されている被扶養者の取扱い 主たる生計維持者は、世帯において1名であるため、被扶養者の員数にかかわらず収入の多い方の被扶養者とする 育児休業等を取得している被保険者はすでに被扶養者となっている子は、特例的に異動しない

被扶養者資格認定の自己点検チャート

チャート

被扶養者の資格確認を行います

一度被扶養者と認定されても、そのままずっと認定されるわけではありません。状況が変わる場合もあります。そのため、健保組合では被扶養者の資格について年に一度確認をいたします。詳細については別途ご連絡いたします。

国内居住要件

「国内居住要件を満たす人」とは、日本に住所(住民票)がある人です。
ただし、日本に住所がなくても、例外として被扶養者になることがあります。
国内居住要件の「例外」に該当する被扶養者は、「健康保険被扶養者異動届」に下記の添付書類を添えて届け出てください。

例外として認められる事由と添付書類の例
(令和元年11月3日付厚生労働省通知「被扶養者の国内居住要件について」に準拠)

例外として認められる事由 添付書類の例
  • 外国において留学をする学生
査証(ビザ)・学生証・在学証明書・入学証明書等の写しのいずれか
  • 外国に赴任する被保険者に同行する者
査証(ビザ)・海外赴任辞令・海外の公的機関が発行する居住証明書の写しのいずれか
  • 就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者
査証(ビザ)・ボランティア派遣機関の証明・ボランティアの参加同意書等の写しのいずれか
  • 被保険者の海外赴任中に出産・婚姻等で身分関係が生じた者であって②と同様と認められる者
出生や婚姻等を証明する書類等の写し
  • 注)
    添付書類が外国語で作成されたものであるときは、日本語に翻訳し、翻訳者の署名を記入してください。

法改正に伴う留意点

令和2年4月1日以降、被扶養者調査(検認)時に「国内居住要件」を満たしておらず、被扶養者不該当と判明した場合は、令和2年4月1日に遡って被扶養者の資格を取り消し、医療機関での受診に関わる保険給付費等の返還を求めます。
法改正により被扶養者でなくなる人が、令和2年4月1日時点において日本の医療機関に入院中の場合は、その入院の退院日をもって被扶養者資格が取り消しとなります。入院期間の証明書等が必要となりますので、詳しくは健保組合までお問合せください。
令和2年4月1日以降、「例外」に該当しなくなった場合も、「健康保険被扶養者異動届(削除)」でお届けください。(保険証返却必要)日本に住所(住民票)があっても、日本における生活実態がない場合は「例外」には該当しません。